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Feature 04:
ワールドワイド・トーフ by Nasoya
updated on June 24, 2003

ベジタリアンのプロテイン補給源としてだけでなく、近年の健康志向の高まりにつれ、豆腐は益々アメリカの食生活に浸透してきている。もはや自然食の店やアジア系マーケットだけでなく、ニューヨーク・シティなら、ことさらエスニックフードに力を入れてるわけでもない普通のスーパーにも普通に置かれている。

ただ、豆腐が市民権を得ても、湯豆腐や冷や奴が市民権を得たというわけではない。アメリカで大豆加工食品を製造するNasoyaの豆腐のパッケージ写真はご覧の通り。同社の他の豆腐と比べて50%脂肪分が少なく、33%カロリーが低いことを謳ったこのLITE TOFUには、"Great for smoothies, soups & dips (スムージー、スープ、ディップに最適)" とある。

スムージーは、ヨーグルトや牛乳、アイスクリームに果物を入れてミキサーで撹拌して作る飲み物 (シェーク)。とろみが身上なので、豆乳よりも舌触りがなめらかな絹漉し豆腐の方が向いているのかもしれないが、パッケージ写真になっているということは、典型的な食べ方(飲み方?)と思われる。デザートの類であるスムージーに豆腐が使われるのは、日本人の豆腐観からすると驚きだ。

Nasoya のウェブサイトのトップページには、タマネギ、トマトとともに串刺しにされた豆腐のバーベキューや薄切り豆腐の炒め物、豆腐サラダの写真が紹介されている。日本の木綿豆腐よりも相当硬めなExtra Firm だと、串刺しも可能だし、スライスして炒めても崩れない。サラダにはカッテージチーズのような感覚で使うことができる。他に、タイやメキシコ風フレーバーの味付き焼き豆腐などもあり、これらも日本の豆腐感覚からはかけ離れたものだ。他社の商品には、カリビアン風、イタリア風焼き豆腐というのもある。

一つの素材にさまざまな国の味付けをして送り出し、定着させていくのは移民の国アメリカらしい展開だと思う。日本でも何か参考にできるのではないだろうか。

--> Nasoya オフィシャル・サイト
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ポルチーニ・マッシュルームと
ハーブ入り焼き豆腐

2003年6月特大号 [ Feature 01 | Feature 02 | Feature 03 | Feature 04 | NY now ]