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Feature 01:
ベルサーチのアブサルート・オークション
updated on November 27, 2003

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写真をクリックするとABSOLUT OUT.のサイトへリンクします

高級ブティックのショーウィンドウ、どれも華やかで、独自に趣向が凝らされており、目に楽しいものばかりだが、今回のベルサーチは中でも異彩を放っていた。

入り口を挟んで2つあるウィンドウのうち1つは、80年代を賑わしたポップ・アーチスト、キース・へリングが描いたアブサルート・ヴォッカの絵、そしてもう1つには、衣装や小物に溢れかえったクローゼット。そして見上げるとレインボーのストライプで形づくられた例によって例のアブサルート・ヴォッカのボトルの旗(と青地に黄色のヒューマン・ライツ・キャンペーンの旗)がはためいていた。

ウィンドウには "ABSOLUT OUT." というコピー。そのリードには、www.absolutout.comのURLとともに「アブサルート・ヴォッカは、セレブからの寄贈品によるオンライン・オークション、アブサルート・アウトへみなさんをお招きします。売上金の全てはヒューマン・ライツ・キャンペーン基金へ寄付されます。アブサルート社は、1981年以来ゲイとレズビアンのコミュニティを支持してきました。アブサルート・アウトは、ゲイであることをオープンにしている人々のクリエイティビティと多様性を讃えます。」とある。

サイトをチェックしてみると、カラフルなドアがゆらゆら踊っており、ノック(クリック)するとドアが開く。11月13日現在では全てのオークションが終了しているので中身は見られないのだが、公開時にはドアをクリックすると、右のスクリーンショットのようにアイテムの写真、誰から寄贈された何なのかの説明、その時点での最高値、残り時間の表がebayのバックエンドによって表示されていた。寄贈者はマドンナ、エリザベス・テーラー、クリスティーナ・アギレラ、ガス・バン・サントといった錚々たる顔ぶれ。

ベルサーチにとってのショーウィンドウが、アブサルートにとっての(意見)広告の場であり、実はそれはセレブを絡めたゲイ&レズビアンの人権のためのネット・オークションだった。からくりもさることながら、企業やセレブといった「力ある者」がメッセージとともに社会貢献するというあたり、日本ではなかなか見られないことではないかと思う。


--> ABSOLUT OUT. のオフィシャル・サイト
--> Human Rights Canpaign のオフィシャル・サイト

2003年 11月号 [ Feature 01 | Feature 02 | NY now ]