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Feature 02:
ニューヨークに無料タクシー?!
updated on November 27, 2003

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マンハッタン五番街で、見慣れない赤と白にチェッカーストライプのタクシーを発見。"HSBC Bank Cab" "Free Lift for HSBC Customers!" とドアにある。HSBC Bank USA は、ニューヨーク州に400店、フロリダ、カリフォルニア、パナマにも支店を持つ銀行。銀行のタクシー?しかも無料?

早速タクシーのトランクの所に書かれていたURL、www.BankCab.com をチェックしてみると、このタクシー、ニューヨーク支店に限らずHSBCの口座を持つ顧客なら無料で乗れるという。これは考えた。

ニューヨークのタクシーの初乗りは$2 (夜間は$2.50)、0.2マイル (=約322m) ごとに30セントがチャージと、日本と比べると安いとは言え、タダならそれにこしたことはない。Bank Cab を見つけたら、イエローキャブをつかまえる時と同様に手を挙げて車を止め、HSBC Bank のデビットカード、クレジットカード、ATMカード、小切手、または銀行の明細書を見せればタダ乗りだ。乗りたい時に見つかるとは限らないが、見つければタダなのだ。お得感いっぱい。

顧客に喜ばれるだけでなく、銀行のロゴ入りで無料をうたったタクシーが毎日人通りの多いマンハッタンを走るのは、大変な宣伝効果があることだろう。50年代のタクシーを修復したこのタクシー、大きくて角々していて、しかもHSBCのコーポレートカラーの赤と白のツートンカラーで、実によく目立っていた。

この銀行のスローガンは、"The World's Local Bank (世界の地元銀行)"。車体にも "Never underestimate the importance of local knowledge (決して地元をよく知っていることの重要性を過小評価しないで)" とある。その心は、「ニューヨークを知らずしてタクシーは走れないように、銀行も地元のことを知らずして運営できない。BankCab は、私たちがコミュニティのことを理解していることを証明するひとつの方法 ( us.hsbc.com/bankcab/bankcab.htm より)」。

顧客に喜ばれ、自社の宣伝にもなって、企業理念から鑑みても理にかなっている。なんとも素晴らしいアイデアだ。

--> HSBC Bank USA オフィシャル・サイト

2003年 11月号 [ Feature 01 | Feature 02 | NY now ]