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電子栞 広告主: American Honda Motor Co. Inc. 11/22/99
極めてシンプルなビジュアルのグラフィック。キャッチもリードもコピーと呼べるものはない。文字と呼べるものは ©1999 American Honda Motor Co. Inc. だけだが、これはラップトップの右下の影の所に天地1mmくらいの大きさの文字でよーく目を凝らしてやっと判読できるという代物。 この雑誌広告がどこが出稿したものであるかは、見慣れたロゴですぐにわかる。自動車メーカーのホンダの広告にどうしてラップトップなのか、一目見た瞬間に浮かぶ疑問はこれだろう。 もちろん察しのいい人はもうお分かりだと思うが、この広告のメッセージは「インターネットするなら www.honda.com をブックマーク (/お気に入り)に入れてください」、あるいは「www.honda.com はブックマーク (/お気に入り)に入れられているべきものですよ」なのである。 ブックマークは栞のことであるから、ウェブ・ブラウザーに入れるブックマークを表現するのにラップトップを本に見立てて、ホンダのロゴとURL が書かれた赤い栞をモニターとキーボードの間に挟んで斜めに置いて見せたのである。 簡単なことのようだが、この「斜めに置く」というのは、このシンプルな広告にして実はこだわっているビジュアル・レトリックだ。ものにはそれらしく見える写 真の撮り方というものがある。例えばラップトップは150度くらいに開いてキーボードとモニターの両方が見える状態で天地に対して完全に平行、つまり真っ正面 （--アップル社のｉＢｏｏｋが30度くらいモニターを開けて床に伏せるように置いた状態でラップトップの広告としたのは、そういう意味で斬新だった）、そして本ならこの角度、右斜め上がり20度といったように。 広告は、「斬新、奇抜なちょっとした発想、着眼点＋典型的なビジュアル・レトリック」で見事に成り立つものなのだ。
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