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デザイン・ウォッチング
意匠


片手打ち用半分サイズキーボード
Matias Corporation
8/28/01

キーボード 片手打ち



PalmやClie、ザウルスなどPDAと呼ばれるモバイル機器の普及に伴い、同じく携帯用のキーボードの需要は高まっている。写真のキーボード、サイズは通常の半分以下。掌に収まる大きさで、その名もハーフキーボード halfkeyboard ™。

ハーフキーボードが、いわゆる携帯用のコンパクトなキーボードと決定的に違うのは、各キーの大きさ自体はフルサイズのままに、キーの数を減らしてサイズの縮小をはかった点。確かに一見すると、通常右手でタイプしている部分のキーボードがない。では、右手サイドにある文字はどうやってタイプするのか?

このキーボード、左手だけで打つように設計されていて、スペースキーを押している間、左手サイドのキーは、通常の右手サイドのキーとして機能する。スムーズなタイピングには多少の訓練を要するが、ブラインド・タッチができる人にとってはさほど困難ではない。メーカーのMatias Corp.では両手打ちの88パーセントの速さで打つことが可能としている。

というのは普段右手でタイプしているキーは、スペースキーを押したまま左手の同じ指で押せばいいようにキーを配置。通常左手で操作する一番右の列のキーである「T」、「G」、「B」を対称軸にして右手サイドのキーは折り重ね状態で割り当てられている。つまり、ホームポジションで言うと、最初に右手人差し指を乗せておくキー、「J」をタイプする時は、スペースキーを押しながら左手人差し指で「F」にあたるキーをタイプすればいいという仕組みになっている。

かくして、小さいから持ち運びしやすいというメリット以外に、机がない場所で、右手にPalmを持ち、左手でタイピングということができる。1個1個のキーはフルサイズだからタイプしやすい。左手でタイプしながら、右手でマウスやスタイラスを操作するといったことが可能になる。といったメリットが生まれることになる。

小型化を目指す時にまず考えられるのは、折り畳む、パーツを小さくするといった物理的な工夫だろう。だが、キーボードの場合、タイプしにくいほどには小さくできないという限界がある。それを1つのキーに2役を割り当てるという発想の転換で一気に小型化してしまった。

非常に革新的発想でありながら、残念なことに、現状で考えられる市場は、PDAにキーボードで入力したいと考えていて、かつ、ブラインドタッチができて、多少の練習をしてでもこのキーボードが持つメリットを享受したいという人々だけなので、ヒット商品となるとは正直考えにくい。実際、これをマックエキスポで見つけてタイプしてみた私は、5分くらい練習してみて、これはすぐに慣れて使えそうだと思い、すごい発想!と感心していたのだが、同行していた両手打ちはできるがブラインドタッチはできないという友人は、かなりのメカ好きだが、No, thank you for me で触ってみようとさえしなかった。

ただ、このキーボードの採用によって飛躍的に小さく軽くなったPCが登場すれば、新しいタイプ入力の仕方を習得する努力をしてでも使おうという層が生まれるのではないかと思う。


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