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ストリート・ウォッチング
R.I.P.

平和への祈り
9/21/01

グラフィティ
テロのあった翌日通りかかった時には既に完成していた地元グラフィティ・アーチスト、Chico の壁画。その後、続々と訪れる人々が捧げたキャンドルや花、追悼のメッセージで、歩道は埋め尽くされている。 @ 14th Street & Avenue A

9月11日、ワールドトレードセンター(世界貿易センタービル)が破壊された。18日のジュリアニ市長の発表によると、死者・行方不明者は5874人にのぼるという。今尚、崩壊したビルの瓦礫の下に閉じこめられた人々の捜索活動は続いているが、生存者が救出される可能性は極めて低いとされている。

筆者が住んでいる場所は、事件現場から北東に2.5キロ。事件はその日の朝、日本からかかってきた電話で知らされた。灰が降ってきたり、電気・ガスの供給がストップしたりといった影響はなかったが、テロ後数日間は、バリケードが張られ、居住者以外立入禁止区域となっていた。こちらから海外への電話は今も不通のまま。要所でIDをチェックする警察官の姿には、NYPD(ニューヨーク市警)ばかりではなく、他州から駆けつけた警官も混じっていた。見慣れぬさまざまな制服の警官が並んで立っている姿に、事態の異常さを感じた。

あれから 9日が過ぎた。街は少しずつ日常へと戻ろうとしている。地下鉄は一部を除いてほぼ平常通り運行し、ニューヨーク証券取引所も、メジャーリーグのゲームやブロードウェイのショーも再開された。中東系移民への嫌がらせ、火事場泥棒なども報道されているが、献血やボランティアには人々が殺到し、血も物資も十分供給される等、全体としては人々の善意によってニューヨークは動いていると思う。

アメリカの世論調査によると、武力による報復を8割以上が支持。アメリカが、各国と協調を取りつけつつ戦争へ戦争へと向かっている様子は、ニュースが毎日刻一刻と伝えている通りだ。だが、ニューヨークには、それに反発する声もある。全体の中で、これは主流ではないが、その思いは強いものだ。

エッセンス・オブ・ニューヨークの第100号では、この大きな流れに立ち向かう、人々の強い平和への祈りをお伝えし、犠牲者のご冥福をお祈り致します。


追伸:テロ後、心配してメールや電話を下さった方々、本当にありがとうございました。幸い、業務にはほとんど支障がありませんでした。日常の回復こそがテロに屈しないということだと思いますので、今号と次号ではテロ後の現地レポート、10月より平常通り広告、デザイン関連の記事を更新する予定でおります。今後ともよろしくお願い致します。


<<R.I.P. 米国同時多発テロ後のNY現地レポート>> 次号を読む


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