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アドバタイジング・ウォッチング
広告

奥行きのある平面。
広告主: Chanel
5/21/98


beautyflower
WIRED 6月号にあった広告。"Beauty is the result of a highly mysterious relationship (美はとても神秘的な関係の結果である)"という見開き。ページをめくると・・・
heart&eyebetween
"between mathematics, nature, and our minds. >-chuck Hoberman, in"Transformer" page 176 (数学、本質、そして私たちの心の間での)" と、文が続いて・・・。
camelia
"Let CHANEL suprise you (あなたを驚かせるシャネルに)" というコピーと、カメリア(椿)の花の写 真とURLのhttp://www.chanel.com

5ページ目にしてやっとシャネルのURL告知雑誌広告であることがわかる。シャネルは5月1日にウェブ・サイトをオープンした。「おおぉ、遂にシャネル、おまえもか」という驚きを皆が覚えたことであろう。この時点で、既にCHANEL suprised us! だ。ファッション界の大御所、シャネルのウェブ。違和感があってこその絶大なる期待感が生まれる。

冒頭のシンボリックでグラフィカルな見開きページ。シャネルらしからぬ ポップさであるように最初感じるが、ぱっぱっとページをめくらせるこのテンポ、シャネルのウェブを見た後にしてみれば、このサイトにあるリズム感に実によく呼応していることがわかる。5ページ目のカメリアにしてみても、これだけは写 真なわけだが、この花は、ガブリエル・シャネルがこよなく愛した花であり、これまでにシャネルのコレクションのモチーフに何回もなっていて、現デザイナー、カール・ラガーフェルドの今シーズンのモチーフでもあるということを考えると、とてもシンボリックな意味を持っている。ばらばらに見ると異質なページであるが、これら前提条件がこの写 真をグラフィカルに見えさせる。

インターネットの普及によって、紙が確かに変わりつつある。紙が紙で終わらなくなってきた。続きがあることを前提とした紙になってきている。この広告における、グラフィックな全4ページから黒バックのカメリアの写 真の5ページ目への飛躍は、カメリアの花がここでパッと咲いたような、まさに "Transform"、変化があり、実にドラマティックだ。平面の紙広告から、マルチ・メディアへの「次元の "Transform"、変化」がある。

"Let Chanel surprise you" というコピーは、新生シャネル、今、時代の先を行くという決意にも取れる。ファッション業界は、常に新しいモノを時代に提示するスタンスをとりつつ、このご時世においては、あまりにアナログであり職人気質であり、時代遅れな感がいなめないが、さすがシャネル、というところを示してくれた広告であり、ウェブである。伝統があると言われる所は、実は歴史的には常にアバン・ギャルドだったのである。

--各写真をクリックすると、より大きな写真が見られます。(各3〜15k)--


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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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