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化ける広告
広告主: Calvin Klein Inc.
2/22/99

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--各写真をクリックすると、より大きな写 真が見られます。(各21&23K)--

上の写真は、"Martha Stewart"の3月号に掲載された、Calvin Klein boy's underwear の広告。この他にも、今月はこれと同様の子供の下着姿をメインビジュアルにした広告が、ニューヨーク・タイムズ、NYシティのバスのボディなどに掲載され、物議を醸している。ジュリアニ市長は、マスコミからのインタビューに対し、この広告は幼児ポルノグラフィーであると批判した。

"Calvin Klein boy's underwear" というブランド、つまり男の子の下着の広告に男の子が下着姿で写 っていて、何が問題になるのか、日本人的感覚から言うとよくわからない。意外に思うかもしれないが、アメリカでは、公の場での暴力的&性的表現にはたいへん神経質なのだ。

有料のケーブル・チャンネルの中には、夜になると風俗関係のコマーシャルだけを延々放映するものがあり、そこでは性器が写 るのもよしとする一方で、スタンダード・チャンネルでは女性の乳首はもちろん、男性も含めてお尻はご法度。日本の時代劇をテレビで放映する前には、必ず「この番組には暴力シーンがあります」と断り書きが出る。映画は必ずその暴力的&性的シーンの有無、程度によってレイティングされ、ディズニーの子供向けアニメ映画以外のほとんど全ての映画はPG13 (Parental Guidance Suggested for Children Under 13: 13歳以下の子供は保護者による注意があることが好ましい)というレイティングがつく。

旅情サスペンスものの露天風呂での入浴シーンや、芸能人水泳大会で視聴者の期待通 りの'ハプニング' が必ず起きる騎馬戦などが、テレビのゴールデンアワーに放映されるなんていうのは、信じられないことなのである。

ニューヨークをベースにしたファッション・アパレル会社、カルバン・クラインは、こういった背景がある中で、露出度の高い、またその見え方がセクシャルである広告を掲載し、ここ数年、広告をうつ度にジュリアニ市長に「けしからん」と非難され続けている。カルバン・クラインの香水、"cK be" の広告の時は、「ヘロイン中毒患者のようなモデルはけしからん」ということで、ドラッグや暴力から青少年を守ろうという主旨の団体からもボイコット運動が起きた。世間を騒がせる広告というのでは、もう常連なのだ。

このように熱狂的に非難され、一番喜んでいるのはもちろんカルバン・クラインである。ゴールデンアワーのニュース番組中、各局がこぞって無料でカルバン・クラインの名を連呼し、その映像を流してくれる。平面 媒体の広告予算でこんな大規模なテレビCMがうてて、こんなおいしい話はない。このシリーズ、当分続くに違いない。


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"ESSENCE of NY"に掲載されている写真は、いずれもアメリカの広告作品の資料として紹介しているものです。写真の一部または全部を改竄または転載することは固くお断りいたします。原著作権並びに肖像権は、広告主・広告制作者・出演者がその権利を有します。記載されている会社名・製品名等は各社の商標および、登録商標です。掲載記事の無断転載を禁じます。

This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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