PUR(ピュア)は、水道の蛇口に取り付ける濾過器や、濾過フィルターつきのピッチャー(水差し)の中の１ブランド。

水道水がそのままでは混ざり物が多くて飲めなかったり、飲めるがまずかったりすることが多いアメリカでは、大抵の人々はミネラル・ウォーターを購入するか、これらのフィルターを通 しての水を飲んでいる（実際ニューヨークなどでは水はきれいで、十分飲料に耐えうる水準だと言われているが、アパートが古かったりすると水道管が腐敗していることがあるし、大丈夫と言われても都会の人々はヘルス・コンシャスなので、家庭で直接水道水を飲むことはまずないようだ）。

さて、この広告。水の入った全く同じコップが２つ。両方に食料品には必ず添付されている原料表示ラベルを模倣したものが貼られている。向かって左には PUR Water、原料名：水。そしてコップの上にH2Oのコピー。向かって右には Tap Water(＝水道水)、原料名：水、亜鉛、農薬、除草剤。コップの上のコピーはH2uh-oh("エイチ・ツー・オ・オー" uh-oh は、何かまずいことが起きた際に発する語)。

リード・コピーには「もしも水道水に原料表示ラベルがついていたら、ひょっとするとそこには亜鉛や農薬といったものが含まれているかもしれません。だからPUR、蛇口装着式濾過器が必要なのです。PURは、他のどの蛇口装着式の濾過器よりも健康を害する物質をよく取り除きます。PURはよりよい健康、よりよいテイストのためによりよい方法です。www.purwater.com」そしてボールドの文字でキャッチフレーズ、"THE BEST WATER. PUR AND SIMPLE." と続いて締めくくる。

水なんてものは、濾過前後で外見は変わらない。濾過前も透明だし、濾過後も透明だ。仮に透明度が多少変わったとしても、２つを並べて比較して「ほら、こんなに！」と、洗剤の宣伝のようにはいかない。それでもアメリカは比較広告する。他人に違いを納得させるには比較してその違いを見せるのが一番わかりやすく明らかだとは言え、比較広告の例が少ない日本とは随分な違いだ。

• PUR のオフィシャル・サイト--＞www.purwater.com

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