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恐竜とやっとこの関係
広告主: Alias|Wavefront, a division of Silicon Graphics Limited
1/21/01 


恐竜
写真をクリックすると拡大写真が見られます。(22 K)
一目見て、「ん?」と思い、くすっと小さく笑ってしまった Alias|Wavefront 社の工業デザイン向け2D/3Dソフト、Studio|Tools の広告。機能説明型のストレートフォワードな広告が多いソフトウェア業界において、感覚に訴えるこのような広告は珍しい。

誌面上部にティラノサウルス。下部にはクレセント・デュラープライヤー(=やっとこの商品名)。この本来似ても似つかぬ、何ら共通点がないように思えるこの2つの対象、こういう風に並べられると、文字で説明されなくても自然と何か「インスパイア」される。

この2つのシルエットが似ていることの何がおもしろいのか。やっとこを横から見て、恐竜が口を開いているみたいだなと思いついたとして、それはさほどおもしろいアイデアではない。そんなものは周りを見回してみれば5万と転がっているだろう。

平面の世界で、紙にインクという同じ材質の上に、同じ大きさ、同じ向き、同じ角度にしてこのようにレイアウトされることで初めて人の感覚をピンと刺激するものになる。ここにあるのは、似ていることのおもしろさなのではなくて、こういう風に見せている、手法によって生まれたおもしろさである。

2つのイメージを分断するように引かれた赤帯の中のキャッチコピーはこう言っている。"What inspires you is your business. How you make it a reality is ours. (何があなたをインスパイアするかはあなたの問題だが、あなたがそれをいかに実現するかは、私たちの問題だ。)" そしてこう続く。"Discover how Jim Warner used the most powerful industrial design software package available to create the versatile Crescent Dura-Plyers. (ジム・ワーナーが、パワフルなインダストリアル・デザイン・ソフトウェア・パッケージを使って、万能のクレセント・デュラープライヤーをどのようにして作ることができたのか解明しよう。)" Visit www.alisawavefront.com.

そう。写真のように見えるやっとこは、このソフトで作られたものだったのだ。商品であるソフトの名前が Studio|Tools。映画ジュラシックパークなどから、すぐれた3D作品というと頭に浮かぶ恐竜と、アメリカ人には馴染みのある万能ツール、クレセント・デュラープライヤーをグラフィックとして選んだのには、ちょっとした含みあり。

複雑で深遠なトリックなし、説明もなしで、だけど、いろんな所にピン、ピンとひっかかる。広告ならではのおもしろさのある広告だと思う。



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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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