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全てのニューヨーカーに届くメッセージ
New York Metro, Llc
10/23/01 

New York Metro
写真をクリックすると拡大写真が見られます。(26 K)

暗い部屋の中、窓の向こうにライトアップされたエンパイアステイト・ビルディングが見えている。喪に服してでもいるかのような黒っぽい誌面の見開き広告が、ニューヨークの情報誌、"New York Magazine" の10月15日号に掲載された。テロ後の不安な心象風景のようで、重々しくずーんと胸に飛び込んできた。

誌面右ページ上には、Volunteers needed.(以下のことをするボランティアを募集)で始まるコピー。赤十字かサルベーション・アーミーが、献血やら炊き出しのためにボランティアを呼びかけているのかなと思って読み進むと、以下のような8行のコピーが続いていた。

  To grab a bite.軽く食事する。
  To catch a show.ショーを見に行く。
  To shop.ショッピングする。
  To see a ball game.野球を見る。
  To go to a museum.ミュージアムに行く。
  To jog in the park.公園をジョギングする。
  To laugh.

笑う。

  To be New Yorkers again.再びニューヨーカーになる。

つまりは、9月11日以前のあなたの日常を再び取り戻して、普通の暮らしをしようということ。臨時号「気高くも日常は続く」でも書いたが、日常生活の回復こそがテロに屈しないこと、という信念がここでも語られている。

ニューヨーク以外の場所で暮らす方々に、このコピーがどこまで届くのか、少し測りかねるが、私には感傷的なまでに響いた。病気になって初めて痛切に知る健康のありがたさ、そんな感じだ。ベーグルをかじり、ライブで熱狂し、酒を飲んで友だちと語り合う。そんな普通だと思っていた日常が、いかに尊いものであったか、そういう日々を過ごすにあたって、ニューヨークはいかに素晴らしい街であったかを、ここに住む人々は、今これまでにないくらい感じ入っている。だからこの淡々とした計9行のコピーは非常に滲みる。

広告主は、ニューヨークのカルチャー&エンターテイメント情報ウェブサイト、newyorkmetro.com を運営するNew York Metro。ニューヨーク・ライフをリードしてきた、そしてこれからも、という気概が感じられる。テロ以来、犠牲者の冥福を祈る、アメリカの結束を呼びかける、といった類の広告はあちこちで目にしたが、これは、全ての一般人に届くひときわ秀逸なメッセージ広告だった。


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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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