フィフティーズっぽいちょっとレトロなロケットのイラストが、お菓子が持つべき懐かしい気分を残しつつ、リキッド・クリスタル（コンピューターのモニターの文字風）のタイポグラフィーとマッチして、いかにも今っぽいデザインになっている。そして、これはアップル社のマウスの形をリプロデュースした必然的な結果 なのであるが、持った時の掌の中にすっぽりおさまるフィット感もとてもいい。

コピーは "cool mints"、"cool sites"。クールはインターネットの普及で、日本でも広く知られている通 り、カッコイイっていう意味で、それとスッとするミントのクールとかけている。けっこうベタなコピーかと思うが、なんせお菓子なので、この辺の単純さも許せる。

デザインをテーマにとりあげたパッケージではあるが、実はこれ、マーケティング的にとても深い。

ロゴのところにURLが載っていて、見に行くと、このミント・キャンディーのウェブ・サイトなわけだが、これを制作したワールド・パッケージング・コーポレション World Packaging Corporationの宣伝ページがしっかりある。それによると、この会社は、要するにプレミアム・グッズ、プロモーション用のグッズのデザインをしていて、このweb Fuelは、一般消費者に '販売する' 初のプロダクト。というわけで、お菓子として売られているのと同時に、こんなグッズを御社のプレミアムにどうですかという営業活動をしていることになる。

たかがパッケージ、されどパッケージ。パッケージは、中に物を入れるという機能を果 たしつつ、雑誌広告や街角のポスターと同様に、メッセージ機能を持つ媒体、メディアなのである。

そしてパッケージの中敷きの紙にはweb Fuel サイトのコンテンツの一つ"Cool Sites" というリンク集のコーナーと同じURLが載っている。ウェブでは、新しい媒体としてのIn-tin advertising（=ブリキの中の広告）を募集している。

web Fuel のクール・サイト：www.webfuel.com

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