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デザイン・ウォッチング
意匠

無用の長物: スタルクのハエタタキ
ALESSI: Paletta schiacciamosche/ Fly-swatter (=ハエタタキ) "Dr. Skud"
design by Philippe Starck, 1998-- [9.3(幅: 顔部) X 6.7(奥行: 脚部) X 44 cm(高さ)-$12]
7/11/98

fly-swatter
1949年パリ生まれ、ピエールカルダンのメゾンを経て、1979年アメリカでスタルク・プロダクト社を設立。プロダクト・デザインではイタリアのアレッシーのロケットみたいなレモン絞り器 ("Juicy Salif", 1990)、日本の建築デザインでは東京浅草のアサヒビール吾妻ホール (so-called "ウンコ・ビル", excuse me...)、白銀台のユーネックス・ナニナニで知られるフィリップ・スタルク。

自身のことを "何処にも、誰にも属さない男--a man who belongs to nowhere and to nobody" と称し、ラベルを貼られることを拒否してきた歯ブラシからビルディングまでデザインする現代のリーディング・インダストリアル・デザイナー。その彼が、各国の現代ミュージアムでパーマネント・コレクションにも選ばれているテーブルウェアをプロデュースしているイタリアのアレッシー社の1998年ニュー・プロダクトとしてデザインしたモノがこれ。Paletta schiacciamosche/ Fly-swatter、つまりハエタタキ。

確かに何処にも、誰にも属していない。ハエを叩く部分が網目の大小で人の顔に見えるようにデザインされていて、それが細長く伸びた棒の上についていて、3本足で立つようにできているシュールなこの物体は、"ハエタタキ" というタイトルがついたスカルプチャーのよう。今時何故ハエタタキなのか、その辺からしてシュール。ハエタタキ・・・、日本的なモノだと思われがちだが、どうやらインターナショナルに同じような形態で存在していたモノのよう。

"Design follows function. (デザインは機能に従う)" というデザインの魂みたいな部分からすると、ハエを叩く部分があって、持つところがあって、しなりもいいので叩きやすくて、オブジェみたいなのでテーブルの上に立てて置いててカッコ良くて、使いたい時にすぐ使えて・・・と、こじつけることもできるだろうし、不要なモノを再存在させるデザインのパワーと表現することもできるが、そんなこと考えるのもバカらしく思えるくらいかけ離れた所にあるこの存在のシュールさ。「何処にも、誰にも属さないもの」として唐突に部屋の何処かに立っているのがふさわしい、スタルクの孤高のハエタタキ。DrSkud

機能美を誇る優れたデザインがある一方で、こんな機能を期待されない優れたデザインもある。これはとても世紀末的で、ある意味でとても現代的なコンセプトかもしれない。

アレッシーのオフィシャル・サイト--> www.alessi.it/

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