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デザイン・ウォッチング
意匠

変身するゾウのテープ・ディスペンサー
Rexite SPA, Milan, Italy.
Hannibal Tape Dispenser design by Julian Brown
-- [$60 @ MoMA]
8/12/98


--写真をクリックすると、より大きな写真が見られます。 (10〜15K)--

マックがデザイナーの机の上を占領する昨今、以前ほど必要不可欠な備品ではなくなった感のあるテープ・ディスペンサー。とは言え、一般 的にはどこのオフィスにもあるいは家庭にも、必需品として机の一角を占めているに違いない。それほどポピュラーであるにもかかわらず、10人がテープ・ディスペンサーを思い浮かべたら、恐らく10人の頭に同じような絵が浮かぶのではないだろうかと思うくらい、デザイン的選択の余地の少ないグッズも珍しいのではないだろうか。

それに対する反駁、実用を満たすだけの味気のないデザインのものが幅をきかしているオフィスのデスク周りを "おしゃれ" にするために、色は無彩色でコーディネートし、素材にはプラスティックやメタルを用い、フォルムはあくまで幾何学的に・・・といったノリの機能美を追究した無機質なハイテック・デザイン路線があるわけだが、これはこれで、どうだカッコイイだろ、センスいいだろ、みたいな気取りがあり、結局のところどれも似ていて画一的な印象がある。

今回ここに紹介したテープ・ディスペンサーは、従来のものと比べると、全く異質である。たたんだ状態 (上写真の上段と下段左) で置かれていると、一体これが何なのか想像もつかない。ゾウの鼻の先にテープを切る歯がついているテープ・ディスペンサー。黄色い目の部分を軸にして弧 を描いたゾウの鼻の部分が動き、鼻を巻き込む形で胴・頭の部分とそのまま一体になる。

使わない時にはコンパクトにたたんでしまえるというメリットがあり、たたんでいる状態だと、ペーパー・ウェイトとしても使える。だが、そんなことよりも何よりも、たたんでいる時の、半透明プラスティックのドームのようなこの物体の得体の知れなさがいい。

動物をモチーフにデザインしたものは、ともすれば幼稚になったり、少女趣味になったりしがちだが、このゾウのテープ・ディスペンサーは、きちんとデザインされながらの遊びの心、余裕の心がに感じられる。かわいくてカッコイイ。しゃれたユーモアというものは、形にするとこういうものなのかもしれない。

<<カラー・バリエーションは、写真のグリーンの他、オレンジとブラックがある>>


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