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デザイン・ウォッチング
意匠

"ソフト" なCDラック
Alessi: "The Soundtrack", 1998
self-adhesive CD rack design by Ron Arad
-- [$20 @ MoMA]
10/13/98

case and inside
setup

赤い渦巻きが中に入ったこのCDケース、グッド・デザインなキッチンウェアで知られるアレッシーの今年のプロダクト。

これが一体何なのか、一目見ただけでわかる人はまずいないに違いない。ラベルには「self-adhesive CD rack (糊付きCDラック)」と書かれている。要は赤い渦巻きの裏(平らな面 )が粘着テープつきなので、これをはがしてどこかに貼り付けると、CDケースを支える溝のできあがりという仕組みのCDラックなのである。

CDラックというと、それが黒の木製であろうと、半透明のプラスティック製であろうと、形態はとにかく四角い箱というのがお決まりのようになっているが、機能としては、「CDケースが倒れたりしないで一緒に納められる」ということが必要条件なのであって、何も家具のような大袈裟さを持つ必然性はないのである。

アレッシーのCDラックは、ハードの部分を与えず、ソフトだけを形にしたCDラックで、赤い渦巻きを貼ったその場所がCDラックになる。必要最小限の機能だけをデザインしたという発想の転換があるから、CDケースが形を持つがために考慮しないといけないこと、例えば、持っているCDの枚数、部屋の中にある空きスペース、インテリア的な調和 etc. これらの問題がすべてクリアーされる。

この赤い渦巻き、DNAの螺旋のようでもあり、ビジュアル的にもどこか未来的なコンセプトを感じさせる。クリアなCDケースにパックしたプレゼンテーションの仕方も、"The Sound Track"というネーミングも上手い。トラックには轍、足跡という意味があるので、これとサウンド・トラックをかけたわけだ。プロダクトの形状と用途がうまい具合にパッケージと名前に含まれている。

赤い渦巻きはプラスティック製なので、貼りたい場所の長さ、または収納したいCDの枚数に応じて簡単に切ることができる。写 真では2本平行に貼ってあるが、1本でも充分CDを支えることができる。また、貼る面 は平面でなくてもよいので、従来なら棚になりそうもない、なだらかな曲面 に貼ったりすると面白い。いわばプロダクトがブレーンで、使う側がボディをデザインするCDラックである。使う側のインテリアセンスや創造力を刺激する一品。


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