偏食、運動不足、ストレスと原因は様々であるが、病気とは言えないが健康ではない半病人が現代人には多い。病院へ行くほどのことではないそういった半病解消のために、肩たたき器、健康サンダル、青竹踏みの青竹、玉 石枕（玉石が敷かれた健康枕）、健康ブレスレット、マッサージ機器・・・といったヘルスケア・プロダクトが考案され、受け入れられているのだろう。

だが、それにしても私たちの体を癒してくれる健康機器と名のつくものには、申し合わせたようにある種のジジクササが漂っている。なんとなく調子が悪かったり、肩がこったりすること自体がジジクサイことで、それを癒すという機能を形にした結果 がジジクサイものになるのは、デザインに非があるのではないのかもしれない。

だが、こんなマッサージ器もある。流線型が美しく、スカルプチャ的クオリティがあり、イルカのオブジェといった感じの "ドルフィン・マッサージャー" 。イルカの口、ヒレ(手)、背ビレ、尾ビレでツボを刺激するマッサージ器で、写 真の少し紫がかったスケルトン・ブルー以外に不透明のパールがかったマーブル模様の青、緑、紫、ピンクのカラーバリエーションがある。

こんなデザインなら、仕事場はもちろんリビングルームに置いても、これによって周囲にジジクササが漂うことはない。材質がアクリル樹脂なので水にも強く、第一イルカだから、浴室に置いてもしっくりくる。バスタイムのお伴にいい。付属の使用説明小冊子によると、「人間の親指を模倣したヒレはツボの刺激に適し、ヒレの角度、腹部のアーチは筋肉を包み込みながらのマッサージに適するように数年かけて開発され」、「魔法のように効く」。

実際店頭で最初にこれを手にとって首と肩にこれをあててみたときは、驚いた。不思議なくらいよく効く。イルカの尾ビレを掴み、片ヒレを首、もう一方のヒレを肩に置いて指圧すると特に気持ちいい。そもそも首と肩のツボを同時に的確な角度で押すといった技は、ツールなしではできない。親指の代用品以上の商品価値がある。

コンピュータの長時間利用による肩こり、腰痛持ちの人は多い。iMac人気にあやかってストロベリー、ライム、グレープ、ブルーベリー、タンジェリンの５色を作って、パソコンショップに置いたら売れそうだ。

--余談だが、ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズが主演した映画、"Men in Black" の１シーンで、ウィル・スミスが木製の数珠のすだれみたいなものを拾い上げて「タクシーだ！」と叫ぶシーンがある。ニューヨークのインド、パキスタン系のタクシードライバーは、よく運転座席に日本で見られるのとそっくり同じ背中のツボを刺激する健康シート(と呼ぶのだろうか・・・)を敷いているからだ。あれを見てインドにアジアを感じる日本人は多いと思う。--

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