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デザイン・ウォッチング
意匠

心をデザインするブレスレット
10/16/99


ブレスレット
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ここ2〜3年の傾向として、雑誌の広告や、ストリート系ファッションブティック、ライブハウスのビラのモチーフに、カタカナやひらがながよく用いられるようになっていた。これには、NintendoやSegaのビデオゲーム、ジャパニメーションと呼ばれる日本のアニメの流行が起因していたと言える。

そして去年の夏は、ウッドストック・カルチャーのリバイバルの影響をもろに受けた「愛」とか「平和」とか、くすぐったくなるような文字が胸にでっかく描かれたTシャツや、フォクシー・ブラウンのタトゥーを真似たようなテンポラリータトゥーなんかを街でちらほら見かけた。こっちは漢字だ。

日本での英語の普及率と比べると、アメリカでの日本語・中国語・韓国語の普及率ははるかに低いから、そういったものが純粋にグラフィックとして扱われるのはよくわかる(だから、デザイナーやイラストレーターが真似て描いてみたものの模写 する力に欠けていたのか、時々間違った漢字のものもある)。漢字は象形文字であるから、絵のように見えるのは当然なのだが、それらが意味を持っているということに対して、彼らは純粋な驚きと楽しさをみつけているようだ。
ネックレス
ネックレス
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また、漢字が流行るバックグラウンドには、チャイニーズ・アメリカン、コリアン・アメリカンで、親より上の世代の人種的にいう"自国" 文化の影響を受けつつ、自らはアメリカ人としてアメリカのカルチャーで育ち、英語しか理解しない世代の社会の中での台頭というのもあるだろう。

いずれにせよ、これらはみな形から入っていった流行で、流行といってもストリート系ファッションを好む一部の人々に受け入れられていたものだった。それが最近、ちょっと違う意味を添えられて一般 化してきた。

今、ニューヨークの若者の間では、広い層、しかも男女を問わず、上の写 真のようなパワービーズ・ブレスレットが流行っている。日本人から見るとおしゃれな数珠といったルックスなのだが、秋のファッションのキーワードとして、フォークロアがあり、キー・アクセサリーにビーズがあるから、その流れの中でがっちり若者のハートをとらえた。

写真のものは木製で、そこに福、禄、壽、といったありがたい文字が書かれている。他にはアメジストやクリスタル、キャッツアイ、ターコイズ風のプラスティックやガラス素材の大粒ビーズのブレスレットがあり、これらにはそれぞれ「知性」、「強さ」、「勇気」、「健康」といった意味があるといういわくつき、そしてハリウッドのスターやモデルがブームの火付け役、というふれこみで売られている。

流行の要素をうまく取り込み、癒しを求める人々の心をうまくキャッチした、心をデザインしたグッズと言えるだろうか。


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