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デザイン・ウォッチング
意匠

州別25セント硬貨
米国造幣局
2/12/01


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アメリカの造幣局は、"50 State Quarters(50州の25セント硬貨)" として記念25セント硬貨を、1999年から毎年5種類ずつ発行している。

1999年にデラウェア州、ペンシルバニア州、ニュージャージー州、ジョージア州、コネチカット州、2000年にマサチューセッツ州、メリーランド州、サウスキャロライナ州、ニューハンプシャー州、バージニア州の硬貨が発行された。そして2001年に入って、ちょうど現在、11番目の25セント硬貨としてニューヨーク州デザインのものが発行されたところ(まだ筆者の手元には巡ってきていない)。アメリカ合衆国の50州全てが出揃うのは2009年。10年にわたるプロジェクトとなる。

歴史に強い方は既にピンとこられたかもしれないが、発行の順序は、州が合衆国憲法に批准していった順番。というわけで、2009年最後に発行される硬貨はハワイのものとなる。硬貨の表側には従来どおりワシントンの肖像画。裏側の上部に州名と憲法批准の年度、下部に硬貨発行年度、絵柄には歴史的事柄が象徴されて描かれるというフォーマットでデザインされている。

例えば、一番手、デラウェア州の場合、上に DELAWARE 1787、下に1999、そして絵柄には、馬に乗った Caesar Rodney が描かれている。イギリスからの独立を支持する決定的な一票を、馬で投票所に駆けつけて投じたという歴史的な事項がデザインされることになるわけだ。

アメリカは州によって法律が違う(オートバイのヘルメット着用が州によって義務づけられていたり、いなかったり、ゲイの結婚が認められていたり、認められていなかったり......)ことでもわかるように、州の自治力が強い。国が記念硬貨を発行する際に、州別のものを発行するというあたりに、「合衆国」としての国の州へのリスペクトを感じる。

日本でも昨年2000円札が発行された。紙幣のデザイン変更時には、毎回誰の肖像画がはめこまれるのかということで話題になる。日本の歴史に多大な貢献をした偉人がモチーフとして選ばれることに異存はない。建国の歴史も日本とアメリカでは違う。だが、「一極集中から地方分権へ」と叫ぶご時世だというなら、身近なもので、各都道府県の誇りに触れることができるような何かが、国のアイデアとして出てきてもいいのではないだろうかと、ふと思った。


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