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アブサルート空中楼閣 V&S Vin & Sprit AB 9/1/00
 →全体拡大写真（37 K） →部分拡大写真（25 K） ウォッカのボトルの形を、いろいろな素材や手法を用いて表現したビジュアルと、"ABSOLUT ～～" というキャッチコピーで構成されている。このシンプルなテーマ１つを広告として一貫して発表し続けているアブサルート・ヴォッカ。 メジャー雑誌の裏表紙に掲載されているのを見て、毎回その奇抜さやクールさに心惹かれている人も多いことであろう。その雑誌広告は、切り抜きを壁紙として使ったり、ホームページでトレードを行っているコレクターもいる。 シリーズ広告の大御所であるこの広告、1980年以来続いており、その作品数は、およそ500にも 達する。1996年には、"ABSOLUT BOOK" という広告コレクションと制作秘話が掲載された写真集がハードカバーとペーパーバックの２種類の装丁で出版され、ハードカバー版は今や売り切れ状態。 ホットな話題を絶えず提供しているアブサルート。今度は、マンハッタンのダウンタウンにこんな看板をぶちあげた。これ、スウェーデン --ちなみにアブサルート・ヴォッカの製造元もスウェーデン-- の家具メーカー、ＩＫＥＡの本物の家具を用いて作られた、ボトルの形をした部屋である（要チェック: 上記掲載写真の部分拡大写真） 通常平面であるべき看板が、立体なのであるから、文句なくものすごいインパクト。私が撮影していると、「こんな広い部屋に住んでみたいわ」とつぶやいて通り過ぎた若い女の子がいたり、通りの向こうから大声で、「いいだろー、俺の部屋だぁー！」と叫ぶ男性がいたりと、東京以上に住宅事情が厳しい都会に住むニューヨーカーにとっては、このような部屋は、憧れだったり、原寸大だったり、いずれにせよ、心にちょっと引っ掛かるものであろう。この看板を見かけた人々が、「アブサルートが今度はこんなことをやった」と友だちと話をする姿を想像するのは難くない。 過去には、ポップ・アーチスト、アンディ・ウォーホールやキース・ヘリング、写真家ヘルムト・ニュートン、クリスチャン・ディオールのデザイナーとしても知られるファッション・デザイナー、ジョン・ガリアーノが制作に関わったこともあり、その20年におよぶ歴史は、"現代" の時代性と広告のクリエイティビティとのコラボレーションの軌跡と言えるだろう。
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