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ストリート・ウォッチング
街角

媒体効果倍増、ポスターとなった新聞記事
Daily News
10/15/01


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新聞は読まれて、押入れの中にでも積み上げられて、古新聞回収日に引き取られリサイクルされる。典型的な新聞の一生はそんなところだろうか。文字と写真の情報伝達が主であって、形態が紙であり、それなりの大きさを持ったものであることは、執筆している人も、写真を撮ってる人も、編集している人も、普段はあまり気にかけていないことなんじゃないかと思う。

だが、9月11日のテロから1ヶ月以上がたったニューヨークの街には、少しずつ「日常」へと戻っていく中で減ってはきたものの、いまだに星条旗と右のような貼り紙が店先に貼られているのをよく目にする。

これらは、ニューヨークのローカル紙、Daily News の一面トップ。非常にグラフィカルであるが、記事の一部だ。

上から順に、ブッシュ大統領の言葉「There's an old poster out West, as I recall,that said: 'Wanted! Dead or Alive! (西部の古いポスターにこうあったのを思い出す。'ウォンテッド!死んでいようが生きていようが')」を受けて、西部劇で登場するお尋ね者の貼り紙風になっている。(9月18日付。撮影したものは、同紙のロゴの部分がカットされている)

そして、2番目は、先月に臨時号「平和への祈り」でも紹介したが、1975年、ニューヨーク州の観光キャンペーンとしてミルトン・グレイザーがデザインした "Ilove.gifNY" のロゴを、デザイナー自身がリメイクしたもの。ハートの左下部分が焦げていていて、MORE THAN EVER (今まで以上に) という言葉が加えられている。(9月19日付)

一番下のは、紙面全面横位置の星条旗。"GOD BLESS AMERICA (アメリカに神のご加護あれ)" というコピーが添えられている。(9月23日付)

縦長の新聞は、横半分に折られた状態で店頭に並べられたり、ストリートに置かれたボックス型の新聞販売機に入れられる。ここに取り上げた3つの紙面がいかにキャッチーかは、容易に想像がつくと思われる。紙面は広げた状態で 565mm x 352mm(貼られているものは、新聞の表紙と裏表紙の部分)。日本の車内吊りポスター位の大きさがあるから、ポスターとして貼り出して、見応え充分なサイズだ。

紙面のどこにも貼り出すことを促すような言葉はない。読み手の側が共感し、自らのメッセージとしてアピール、また、他の人にも伝えようとして主体的に貼り出したのだ。それが街中で目につくほどの現象となった。

新聞のトップ記事であるが、Daily News社のメッセージ広告とも言える。新聞広告として、ポスターとして、2つの媒体を生き、2つ目は掲載料無料、しかも無期限で街中に拡散している。見た人の心を捉えるだけでなく、その人を伝達の使者とする。メディアのコミュニケーション、メッセージの訴求として、これに勝る成功はないだろう。



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