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ストリート・ウォッチング
街角

それが何かを言わない広告
2/8/02

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各ポスターをクリックするとそれぞれの拡大写真が見られます。(29〜45 K)

最近、やたらとmlifeという文字をよく目に耳にする。ニューヨークの街を歩くと壁貼りのポスターで、はたまた、タクシーのルーフトップにある広告塔で(大通りに面したカフェでお茶しながら外を眺めていると、同じタクシーが何をちょろちょろと思うくらい頻繁に同広告を目にした)。そしてテレビのCFで。

上記写真の5種類のポスターでは・・・

02mlife-S01.jpg ソファでケンカをしている風の男の子の写真。"WE TOLD OUR PARENTS WE'D GET ALONG BETTER IF THEY BOT US AN mlife.(ボク達はお父さんお母さんに、もしmlifeをくれたら、もっと仲良くなるのにって話したんだ)"のコピー。

02mlife-S02.jpg 木に隠れて顔は見えないが公園のベンチに佇む男性の姿。"PEOPLE USED TO ACCUSE ME OF BEING HARD TO REACH. WITH mlife I'M LIKE A NEW MAN.(人々はかつて私を捕まえるのはたいへんだと責めたものだ。mlifeで、私はまるで新しい人だ。)"というコピー。

02mlife-S03.jpg 砂浜を歩く女性の姿。"I'M TOLD THAT mlife CAN PREDICT THE WEATHER. IS THAT TRUE?(私、mlifeって天気を予想することができるって言われた。それって本当?)"

02mlife-S04.jpg 青い空、サボテンを背景にしたカウボーイ・ルックの男性の姿。"mlife WILL HELP ME MULTITASK. I'M A BUSY GUY.(mlifeは同時進行で俺を助けてくれる。俺は忙しい奴なんだ。)"

02mlife-S05.jpg 赤ちゃんを抱いたにこやかで派手な女性。"mlife NO GRANDMOTHER SHOULD BE WITHOUT ONE.(どのおばあちゃんも、mlifeなしでいるべきではない。)"

といったことを言っているが、さてmlifeが何であるのかには少しも触れず、水色に白抜きの?アイコンの横に小さくおさえで "What is mlife? find out at mlife.com (mlifeって何?mlife.comで見つけよう)" ということになっている。タクシーの広告塔では、ずばり文字だけ "What's mlife?"。CFでも、mlifeって知ってるよね?ってかわいい女の子に聞かれて、おじさん達が、も、勿論知ってるよなんて答えて顔を見合わせたところで、画面いっぱいに "What is mlife?" の文字が出て終わる。電波でストリートで何かと吹き込まれ、だけど知らないmlife。mlifeって何?と気になってウェブサイトにアクセスという仕掛けなのだ。

答えは長距離電話会社AT&Tのモバイル部門がスタートした携帯電話サービス。モバイル・ライフというわけ。そう思って上記のポスターを見ると何を言わんとしていたのかがよくわかる。ウェブサイトにアクセスしなければ完結しないマス向けのキャンペーン。(ただしじっくり読める雑誌広告ではサイトに載せてあるような情報をもりこんだテキストメインの広告となっている。)アメリカと日本のインターネットの普及度の違い、生活の中でのインターネットの位置づけの違いが如実に出たものと言える。


付記: サイトを見ると、新しいコミュニケーションの方法だのワイヤレスの再発明だのと大袈裟な言葉が並んでいるが、現状のサービス内容は、テキスト情報が送れるとか、天気予報や株、占い情報が聞けるとか、呼び出し音をカスタマイズできるとかといったもので、日本の進んだそれと比べると、やっと今頃って程度のもの。そのくらいアメリカの携帯文化は日本より遅れているのだが、これを期に発達していくのだろうかと当方は期待しております・・・。


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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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