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Do you know me?®
広告主: American Express
10/21/00 

左ページ右ページ
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毎回、各界の著名人が登場し、ショッピングの時、レジまで来てお金の持ち合わせがないことに気づき、「私は有名なXXよ。知ってるでしょ?」と言うアメリカン・エキスプレスのコマーシャル・シリーズ。キャッシャーの人は首を横に振る。列に並んでいる他の買い物客も、何をもたついているのと、怪訝そうにその著名人の顔を覗き込む。ポケットを探しまわって、最後にアメリカン・エキスプレスのカードがあったことに気づき、取り出して初めてみんながその人を認知する(時にカードも見つからず、困ったままでシーンは終わることも)。Do you know me?® という文字とともに、その著名人の名前入りのカードが画面に出て完結。

つまり、お金の持ち合わせがなくても、カード1枚があれば困らない、というカードの便利さを訴求するとともに、クレジット・カードがその人のアイデンティティ、身分証明というのがCMの核。--日本版では、その昔、カードがなくて困り果てた経験をしたジャック・ニクラウスが、愛嬌のあるアクセントで「出かける時は忘れずに」(このフレーズも登録商標)と言うのが決まり文句、というCMがあった。--

長年アメリカン・エキスプレスが登録商標のキャッチフレーズとして唱い続け、周知のものとなっている「Do you know me?」。これを、見事に展開したのがこの見開き雑誌広告。

左ページには顔の部分がモザイクになっている女性の写真。右ページにはお馴染みのアメックス・カードの緑のウォーターマークをバックグラウンドに、ウェブ・サイトのテキスト入力スペースに「Do you know me?®」とある。すごいのは、これを受けるリードコピーの出だし。

Probably not(恐らく、知らないでしょう). とくる。

この広告は、アメリカン・エキスプレスの新しいサービス、"Praivatte PaymentsSM" のためのもの。リードコピーを訳すと、日常生活では人々から認められたいけど、オンライン・ショッピングする時はプライバシーがある方がいい。アメリカン・エキスプレスの Praivatte PaymentsSMなら、買い物する度ごとに1回きりのカード番号が作られるので大丈夫。実際のカード・ナンバーをインターネットを通じて送ることがない、より安全なショッピングの方法。そして、間もなく個人情報もどこまで渡すか、または全く渡さないかを決めることができるようになる--というそのしくみの説明になっている。

横書きの雑誌において、目の流れとしては、左ページの顔にモザイクの入ったバストアップの写真が最初に来る。次にアメックスのキャッチフレーズ「Do you know me?®」。そう言われても顔が見えないからわからない、だけどそれとアメックスと何の関係があるのか?という疑問が浮かぶ。そしてリードコピーを読んで何を言わんとしているのかを理解させられる。

そして、So whenever I travel the World Wide Web, I'll be able to travel incognito(だから私がウェブの世界を旅する時はいつでも、お忍びで旅をする).--なんて、リードコピーの締めがまた洒落ていてビューティフル。

つかみからオチまでの流れがスムース。論旨が明解なので訴求したいことがすんなり入ってくる。コピーを読んで、受け手が読解する必要が全くない。ウマイ広告というのは、こういうものを言うのだろう。



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