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NY now :
ファストフード温故知新
updated on September 30, 2002

先週、初めてポップオーバーというものを食べた。マフィンみたいな形だが一回り大きいパンで、中が空洞なので、そこにハンバーグやグリルド・チキン、チーズ、サラダやロースト・ベジタブルやらをつめるとランチやディナーになり、アイスクリームやフルーツ、ジャム等をつめるとデザートになるというバリエーションを楽しめる食べ物。

ベジタブルが11種、ミートが8種、チーズが7種。土台となるポップオーバー(パン)が$1.65で、具は1種$1.35〜$1.85、ドレッシングは5種類で各$0.50 (マヨネーズ、マスタード、ケチャップは無料)。種類が豊富で何種選ぶかは自由なので、栄養のバランスやカロリーのことも考えられるし、目先も変えられるし、おなかのすき加減によってシンプルにもボリュームたっぷりにもできるのがいい。

この辺りがホットドッグ、ハンバーガー、ドーナツといった従来のファストフードとの違い。そして、あらかじめ決められたメニューからしか注文できない日本との違い。デリでもそうだが、「パンはホールウィートでちょっとトーストして、マヨネーズとマスタードを塗って、レタスとトマトとスイスチーズとスモークド・ターキーを挟んで」と、オーダーメードしないといけないのは、最初は要領がよくわからないし、面倒にも思ったが、食べたいように食べられるこのサービス、慣れてしまうとありがたい。この辺、パン文化の歴史の違いかなと思う。

私が食べたのは、ランチのセットで、フレッシュ・モツァレラ・チーズ、スクランブル・エッグ、サン・ドライド・トマト入り、オレンジ・ジュースとコーヒー付きで6ドル。なかなかお得なような。

外がぱりっと、中がしっとり、シュー皮のような味がするポップオーバー、新しそうでいて、実は伝統あるアメリカのパン。1876年に出版されたレシピで広く知れ渡ったのだそうだ。

このお店自体は今年2月にオープンしていて、地元誌や新聞で紹介されていたみたいだけど、ここ1軒しかないし、うちからは遠いしで、これまで気づかず。まぁ、すっごいおいしい!目から鱗!ってものではないんだけど、新しさや可能性を感じたので、ちょっと紹介してみました。近くに行ったら、今度はデザート・バージョンで食べてみよっと。

(ニューヨーク編集室 向井余史子)

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NY POPOVER
789 9th Avenue
(between 52nd & 53rd streets)
Phone: (646) 746-0312

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