10都市のサイトは全て同じフォーマットでデザインされており、映画 movie・レストラン restaurant・イベント event・アーツ&ミュージック arts & music・お勧めの場所 places to go・スポーツ sports 等のカテゴリーを表すボタンも全てそれぞれ頭文字の小文字一字を丸で囲んだシンプルなもの。ニューヨークでの広告展開は、このマークをキーグラフィックに展開されている。丸の中にｍあるいはｒ、ａ・・・その下にURL(sidewalk.com)、そして「go to sidewalk.com then, go experience new york.(まずサイドウォークに行って、それからニューヨークを体験しに行きなさい)」のコピー。

このサイトには例えば映画のコーナーをとってみると、各映画館の上映時間から映画のあらすじ、映画館へのアクセス、地図にいたるまで詳細な情報が網羅されており、その映画館の近所のレストランから徒歩圏内で遊びに行ける場所まで調べることができるという、いたれりつくせりのシティガイド。そのサイト名が示唆するように、通 りの隅から隅まで、日本風に言うなら路地の裏までの情報が得られるサイトである。

であるから、この展開が非常に有効なのである。ニューヨークお馴染みのホットドッグやフルーツのスタンドのパラソル、公衆電話ボックスの側面 広告、道ばたの看板、サブウェイの出入口・・・という街頭広告が。ネット上で見ているのと同じアイコン（丸ａや丸ｒ）を道ばたで見かけるのは、バーチャルな世界が地上に降り立ったかのようである。

このサイドウォーク、母体は天下のマイクロソフトであるから、スケールの大きい広告を打とうと思えばできたはず（例えばマイクロソフト自体の広告がタイムズスクエアのビルの巨大な壁面 広告になっているように）だが、そういう方法をとらなかった。

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