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ストリート・ウォッチング
街角

もの言うレッド・タブ
Levi's & Strauss
6/1/98


Tommy wore them こういう街頭広告を見るにつけてニューヨークは、いかにメディア戦略に長けた街だろうと思う。これまでのところ、街のいたるところで見かけるが、雑誌、テレビなどには登場していないこの広告、クライアントはジーンズの大御所、リーバイス・アンド・ストラウス社。ジーンズというストリートと密着したアイテムの、街頭だけで見られる広告。メッセージは極めてシンプルであり、予断を許さず、大御所の貫禄とネーム・バリューがあってこその堂々としたもの。さすが。

まず、ビルの壁面を使った巨大な広告では、白地に黒文字で"Tommy wore them.(トミーがはいた)"。そして、右上に小さくジーンズの後ろのポケットについているお馴染みのLevi'sのロゴが入った赤いタブ。ここで言うTommy は、トミーという名の男の子という一般的な意味にも取れるが、暗に今をときめくアメリカのファッション・デザイナー、トミー・フィルヒガーを、them はリーバイスのジーンズを指していると言っていいだろう。(パンツは一枚でも複数形、念のため)

Ralph wore them 右は駐車場横の広告スペース。日本だったら駅の看板のような中に蛍光灯がはいったもの。コピーのさしかえで、"Ralph wore them.(ラルフがはいた)"。こちらは勿論、ラルフ・ローレンを暗に指している。

ポスターの方は3連貼り。リーバイスのジーンズの後ろのポケットについているタブの色を意識した赤のバックグラウンドに、白字で"Tommy wore them.(トミーがはいた)"、"Calvan wore them.(カルバンがはいた)"、"Ralph wore them.(ラルフがはいた)" というコピー。トミー(・ヒルフィガー)、カルバン(・クライン)、ラルフ(・ローレン)と、アメリカの今を代表する御三家メンズ・デザイナーのファースト・ネームを並べることと、バックグラウンド・カラーの赤と、他の場所で見られる上記のような広告との関連からリーバイスの名前を連想させる自信があるのだろう、リーバイスのロゴはどこにもない。


これが本物だということが強く伝わるコピー。超有名なデザイナー達がリーバイスのジーンズをはいて育ち、恐らく今もはいているだろうということは疑う余地がないくらい明らかだと人々に再認識させることで、ブランドもののジーンズが出回ってるけれど、リーバイスはそれをデザインしている彼らによって選ばれてきた超ブランドなんだということが断言されている。

--各写真をクリックすると、より大きな写 真が見られます。(各17〜26k)--


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