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広告

URLと広告の関係
広告主: Cyan Inc. & Broderbund Software, Inc./Cornerstone Imaging, Inc.
3/21/98


最近ではアメリカでは雑誌広告などにURL(ホームページのアドレス)を入れるのは常識となりつつあるが、扱い方は大きく分けて3つある。

第一世代は、ロゴのまわりに必ずある電話番号や住所と同じ扱い。トールフリーのナンバー(かける方は無料の電話番号)を押しのける勢いで、より太字だったり、大きかったり、色が違ってたりして目立つようにデザインされているものもある。24時間年中無休の人件費いらずのカスタマーサービスとしてウェブ・サイトは機能するのであるから、企業にとっても消費者にとっても双方ハッピーなわけで、当然の傾向だ。

第二世代は、キャプション的な扱い。説明などのあまりないイメージ広告的なものでは、誌面 の端に7級くらいの文字で、キャプションとしてコピーライトマークの©の横に社名、年度、そしてURLが押さえてある。

そして第三世代が今回取り上げた以下2つの広告。URLを広告のメイン・グラフィック・モチーフとして扱ったもの。


薄暗い中に幾筋か差し込んだ光、そして地下鉄の線路が写っているだけの写真。社名のロゴも商品名も、キャッチコピーさえない。一体このページは何だろうと思う。探す。あった、トンネルの壁の落書きがURLになっている。・・・これで紙面 上は完結している広告であるから、RIVENを知らない人(ちなみにRIVENは、昨年度のベストセラー・コンピュータ・ゲーム・ソフト)、インターネットをやっていない人に与えられる情報は何もないという、ターゲットを絞りきったたいへん潔い広告。思わず壁のURLをクリックしたくなる。

右の究極にシンプルな広告はCornerstone 社の例。コーナーストーンは、"The Ultimate(究極の)Computer Display"をキャッチフレーズにしているコンピューターのモニターのメーカー。

中央に「www.the-ultimate-display.com」とURLがあって、誌面の下部に7級くらいの小さい文字で 「Try it. If you don't agree, we'll give you your money back (but then, of course, you'll have to give back our 21" display. --試して下さい。もし気に入らなければお金はお返しします。(でも、ということは、その21インチモニターを返送しないといけないってことになりますけど)--」というコピー。"give your money back" はアメリカではよく使われるありふれた文句だが、それを括弧 内のようなつっこみを自分で入れることでユーモラスなコピーにうまく加工している。また、雑誌の中にあって何が目立つかを考えたとき、このほとんど真っ白に近いデザインは賢い選択だ。(しくみはわかったが書体がどうしても見たいと言う人は、こちら・・・

URLは、カタログや資料を請求したり、商品について問い合わせたりするために必要な住所や電話番号と同じ機能を果 たす。が、これまで電話番号や住所は、広告のグラフィックのメイン・モチーフにはなりえなかった。RIVENの広告の壁の落書きを電話番号にさしかえたらこの広告はなりたたない。それは何故か。

従来の通信との違いは、表面的にはドメインが社名や商品名になっている時、それがコピーや商標代わりに使われうるということであり、心理的にはURLを入力しクリックひとつでアクセスできるという、その即時性と一貫性から感じられるサイトのアイデンティティにある。言いたいことの全てはサイトにあるから、広告をURL告知のために使うというのは紙とウェブの新しい関係である。


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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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