雑誌 "Esquire10月号" に掲載された計4ページにわたる広告。

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　　　　 -p.1-　　　　　　　　　　　　　　　-見開き p.2〜3-

まず、後ろ足で立ちあがりそうなサルが歩行しているのが最初のページ。そしてページをめくると、2ページ目には左手に骨だか、棒だか、道具を持ち、直立歩行する類人猿、3ページ目にはヒトが。いずれも理科の教科書に出てくるみたいなペン画が白いマージンをとったクリーム色の四角の中央に配置されている。ここまでキャッチコピーもロゴも何も文字情報はなく、無言の展開である。一体何の広告なんだろうと疑問に思う。そしてもう一度ページをめくると・・・。

左隅のクレジット
Enjoy Black Label Responsibily
Johnnier Walker ® Black Label ®,
Blended Scotch Whisky, Imported 12 Year Old, 40% Alc./Vol. (80 proof)
© 1998 Schieffelin & Somerset Co., New York, N.Y.
　　　　 -p.4-

「！」スコッチ・ウィスキー、ジョニー・ウォーカー・黒ラベルの広告だった。

木から降りたサルが道具を持ち、ヒトになり、そして次に、お馴染みの赤いジャケットにシルクハット、大きな歩幅で颯爽と歩いているトレード・マークの彼になる。ヒトがまだ一歩先に進化を遂げた形がジョニー・ウォーカー、という論旨。右下コーナーの氷が浮かんだグラスとボトルの切り抜き写 真に添えられた "WELCOME TO CIVILIZATION (ようこそ、文明世界へ)" というキャッチ・コピーでうまくオチがついている。

確かにスコッチなんていう飲み物は、ただ絞ったらいいだけの牛乳やフルーツ・ジュースと比べたら、相当高次元の飲み物であるし、「文明の味」という定義付けは「洗練されたテイストのジョニー・ウォーカー」と言うのに、巧い表現だ。

１ページ目のサルも、2ページ目の類人猿も、3ページ目のヒトも、最後のジョニー・ウォーカーもみんな歩いている。サルからヒトへと移行して行った時間の長さが、各ページ間で比例しているのなら、ジョニー・ウォーカー、かなり進化したヒトと言える。

[おまけ]

もうひとつ、同じ "Esquire10月号" 掲載のスコッチ・ウイスキー、THE FAMOUS GROUSE (有名なライチョウ) の雑誌広告。石の上に立つライチョウ。そしてコピーはずばり「ON THE ROCKS」。

ON THE ROCKS
THE FAMOUSE GROUSE SCOTLAND'S FAVORITE SCOTCH
左隅クレジット
The Famous Grouse ® Blended Scotch Whisky. 40% Alc. by Vol. [80 proof] ©1998. Imported by Palace Brands, Hartford, CT

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