ピースマークが、いつものにっこり笑った表情のまま不精ヒゲをはやしている・・・。強烈なインパクトを受けるとともに、一体これが何を意味するのか？何の広告だろうか？と考えさせられてしまうこの雑誌広告、クライスラー社のジープ®のもの。

車の広告と言うと、とにかくボディぴかぴかの新車がどこかの美しい風景をバックにシチュエーション撮り・・・となりがちだとは本4/21/98号の「メルセデス-ベンツのワンポイント広告」でも触れたが、それを破った第二段。グラフィックの持つパワーを感じさせてくれる。

コピーは「四輪駆動のジープ®は、文明に侵された世界から遥か離れることでのみ唯一味わうことができる種類の幸福に、人々を到達させます。(Jeep® 4x4s let people achive the kind of happpiness that can only come from leaving the civilized world far bihind. Contact us at 1-800-925-JEEP or www.jeep.com.)」と、その "唯一only" を受けてJeepのロゴと一緒に組まれたキャッチフレーズ、"唯一の存在(THERE'S ONLY ONE)" 。

つまりこのビジュアル、ピースマークという誰の目にも馴染みがあるアイコンを髭面 にすることで、強烈なアイキャッチャーとして成功しているだけでなく、ピースマークはその種の幸福の象徴であり、不精ヒゲは文明世界からの乖離の象徴として、ちゃんとコピーに落ちている。おっと目を引いてなるほどと納得させる、広告の基本中の基本のようなことをちゃんとこなしている。広告は、氾濫する情報の渦の中に埋もれることなく、一つのメッセージが届けられれば大成功だ。

それにしてもジープの写真をロゴ周りに絡めたりしなかったあたり、ジープ®を知らない人はいないという自信の裏返しともとれるが、潔くてすごい。

• "Jeep" のオフィシャル・サイト

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