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車から見た景色がクルマを語る
広告主: Volks Wagen Cabrio
5/24/01 

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(54 K)


深呼吸をすると胸がつんとする冷たい森の空気、風にそよぐ葉が擦れ合う音、リ、リ、チッチと近くに遠くに虫の鳴く声が聞こえてくる。ちらちらと星がまたたく紺碧の夜空に宇宙を感じる。

見開き2ページにわたる木々のシルエットの間から見える星空の写真。右上に一言、"The Cabrio. Drivers wanted (運転手募集)"、そしてロゴマーク。この雑誌広告(女性向けファッション雑誌『JANE』6/7月号)に、クルマの写真はない。だがこれだけで、カブリオの特徴である電動格納式のソフトトップに関するメッセージは、届いているのではないだろうか。

街中からクルマを飛ばし、ちょっと郊外に行って静かな森の中でクルマを止めて、シートを倒し、ソフトトップをうぃ〜んと開けて見上げた空。そんな感じ。なんでもない写真のようだが、不思議と気持ち良さが伝わってくる。

何百万円もするクルマを、写真を見ただけで購入する人はいない。車種を聞いてもどんなクルマか形さえ頭に浮かばない人へメッセージを投げかけるのも無駄とは言わないが、即時効果はなさそうだ。外観、内装、スペック徹底解剖、みたいなことはクルマ専門誌にまかせるとして、一般向けにはこんなイメージ訴求に徹するというのも手、ということなのだろう。有名ブランドだからこそできる強みでもあるが。

第三者の立場に立って、クルマを外側、つまり売る側から語っているのが従来の広告。乗る人、つまり買う側の立場に立って作ったのがこの広告。スタイリングを見せない、スペックが載っていないということ以上に、視点の根本的な違いがここにはある。安全性やコストパフォーマンス、デザインを主張したいなら、実験結果やスペック、クルマそのものの写真だろう。だが、乗る側の気分をターゲットとするなら・・・。

確かにクルマって、乗っている時に見ているものは、外の景色なのだ。私的快適空間へ連れていってくれる、安らぎを感じられる空間を求めてドライブする気分になれる、カブリオはそんなクルマである、とこの広告は語っている。



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This article is critique about overseas advertising and products to Japan. All rights of original works are reserved by the advertisers or the creators who made them. No reproduction or republication.

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