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デザイン・ウォッチング
意匠

NO BATTERIES!NO TRANSISTORS!NO ELECTRICITY!
不思議なクリスタル・ロケット・ラジオ

Restoration Hardware
12/11/00

ロケットラジオ

1957年、スプートニク号が打ち上げられ、50年代後半は宇宙へ人々の憧れや関心が集中した。ロケット・ラジオは、そんな時代を背景にカリフォルニアの小さなラジオメーカーによって生み出され、アメリカで一大ブレークしたオモチャ。写真は、東急ハンズがブティック化したようなお店、リストレーション・ハードウェアが作ったそのレプリカ版だ。

ロケット・ラジオは、電池もトランジスターも電気もいらない。必要なのはアンテナだけ。そのアンテナは電波が流れることができる金属で、長ければ長いほど良い。つまり、校庭を取り囲む鉄製のフェンスなどは、最高のアンテナとなりうるわけだ。ロケット・ラジオについているアンテナクリップで、フェンスのどこかを挟み、イヤホンを耳に入れ、ロケット・ラジオ本体の赤いポッチがついた部分を引っ張ったり、引っ込めたりしてチューニング。これで、AM放送が受信できる。

ローカルのAM放送を受信するために必要なものは、アンテナ、チューナー、クリスタル・ダイオード、イヤホン。これらがロケット・ラジオの全て。実際に試してみると、アンプがついていないため、当然ながら音が小さい。何かと騒音、雑音が多い屋外で聞くには少しつらいと言えるが、日常的にはハイテクの入った電化製品だと思っているラジオと同様に、こんなに小さくてプリミティブなプラスティックのオモチャで放送が受信できるということにちょっとした感動を覚える。

40年以上も前に生まれたものだが、今見てもラジオの形体に関する概念を超越したデザインの斬新さがある。そして今見るからこそ、レトロな未来感覚というのが新鮮に感じられる。ラジオはもはや当時の子供達が胸をワクワクさせて聞き入ったようなストーリーテラーではないけれども。


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